エンターテイメントの未来【エキストラ】

いま、テレビ業界が未曾有の大不況に陥っている。

これは俺が数年前に何度か予測していた。
リーマンショックがやや事態を進行させただけで
想定内であったが
その後の消費者の動きが予測とズレてきているので
いくつか補正しなくてはいけない。


文章が長くなりそうなので
いくつかに分けて記述する。

まずはエキストラに関して。


今後エキストラ事業は急激に縮小、消滅する。
まず、テレビドラマそのものが少なくなる事は説明不要。
では、その中で生き残るテレビドラマは?
それはシリーズ物。
ある程度の視聴者を獲得しており、広告収入が予測出来るものに限定される。
ワンクールだけのドラマは減り、人気作家に限定される。

その中でエキストラはボランティアが多数使われるようになる。
いわゆる手弁当のみ。
これで十分にまかなえる。
ドラマの質、リアリティは落ちるが
エキストラ部門は制作コストを削るうえで、一番最初に打たれる杭だ。

映画「相棒」にエキストラで引っ張られた時、ボランティアエキストラが300人も集まったのを見て
この業界が長くない事を感じた。

どうしても重要なシーンでは
スタッフをエキストラに使えば良い。
撮影スタッフの多くは、多少ながらも
演技経験者ばかりで
下手なエキストラよりよほど役に立つ。


次に、エキストラそのものが商売として
目をつけられるのも遠くは無いだろう。
実は映画「ゴジラ」は以前から、ある旅行会社が
ツアーを組んでエキストラに旅客を組み合わせている。
これが成功しているか、いないかは私には分からないが
試みとしては面白いし
映画ファンにとっては夢のある企画だと思う。


また、某事務所などにはエキストラを勉強として
無料で提供しているらしい。

正直言って私もエキストラは
ボランティアで十分だと思う。
せいぜい支給するのは手弁当と交通費ぐらいではないだろうか?
エキストラにギャラを支払う事じたいが無理があるのだと思う。
役者見習いに勉強させているのに
金まで取れるわけがない。

逆に役者をエキストラで呼ぶのも失礼な話だ。

たまに呼ばれて仕方なく行ったが
だいたい助監督に捕まって、何らかの演技をさせられる。だからいつも隠れたつもりだったのだが。
これは技術の安売り以外の何物でも無い。
付ける方は楽だろうが、エキストラ待遇で演技をさせられる方は
たまったもんじゃない。


・・・・・途中から愚痴になったので
話を戻す。


人気ドラマについてはファンが
人気映画にもファンがボランティアで参加し
無名ドラマにも役者見習いがボランティアではいる。
元々、多数のエキストラを使えるのは人気ドラマや映画に限定されるので
クオリティはそれほど下がらないと私は思う。