エンターテイメントの未来【舞台】

まず、舞台について基本知識として

運営の時点ではほぼ赤字。
黒字になる事はほとんどない。


これは過去も現在も、そうなのですが
特に現在の舞台運営は、黒字になる事を考えて舞台が作られておりません。


まず、過去に出演した舞台
フォグバーデン「あしあと」
★支出(推定)
脚本5万
チラシ10万
チラシデザイン5万
劇場費用47万
稽古場費用15万
スタッフ、照明と音響
2名、5日間、最低30万運送費用10万
舞台セット資材15万

合計137万

★収入
100席3000円で30万×7
210万

差引=73万
で済めばいいのですが

招待客3000×10×7=21万のマイナス
空席およそ全体で80席
3000×80=24万のマイナス

で差引28万




で、大事なものが抜けてます。

役者へのギャラ。

一ヶ月の拘束で、最低15万は生活に必要でしょう。
13人×15=195万


【差引、167万の赤字】


と、なるわけです。
実際には、役者へのギャラはありません。
これはフォグバーデンだけでなく
全ての小劇場劇団に言えますが、役者のギャラはチケットバックとし
手売りで一枚売る毎に500円などの制度をとっていますが
実際には、15万に到達させるには300枚を売らなくてはいけません。

ちなみに、私が知っている最高枚数で300枚(某有名俳優さん)です。
私でも47枚。


このような背景にはまず
役者数の膨大化により、芝居が連発され、さらに芝居をテレビで見る習慣が出来た事に危機感を感じた興業主がチケット代金を大きく引き下げた事があげられます。
舞台は本来、数年に一度の贅沢であったものが
いまでは、都心部では毎週でも見られるようになってしまいました。
その結果、デフレーションが起こり、チケット価格はおそらく半額から数分の一にまで下がってしまいました。


その皺寄せが、役者にもろに来たわけです。
ところが、それでも運営が成り立つのは

・ノーギャラでも舞台に立ちたい役者

がいるからなんです。
私もフォグバーデンに関しては、座長の演劇への姿勢や教育、脚本のレベルの高さから
舞台に立つ事を快諾しました。
いや・・・ちょっと時間かかったかな。
かなりかかったかも。
ノーギャラでも出る価値を見出だせたからだ。

しかし、それ以後、そのような舞台には出会っていない。
あの抜群の脚本と、客演を主役(私ではないが)に抜擢する座長の懐の広さに、今でも感謝している。
消滅していなければ、間違いなく
毎年こちらからお願いして出演交渉しただろう。
役者を辞めようとすら思わなかったはずだ。


話がズレた。

次に舞台が特別なエンターテイメントでなくなった事で
広告媒体となりえなくなった。
その為に広告収入も激減する。

元々儲からない舞台が、益々利益が取れなくなり
最期には給料すら払えなくなっている。


どうしたら良いか?


簡単な事だ。
チケット代を引き上げればいい。
3000円のチケットを5000円に引き上げれば
例え客が3割減っても利益は増える。
理想は客を3割減らさず、利益を確保する。

難しい事だが、プロを名乗るならやるしかないだろう。
出来なきゃ役者のギャラはいつまでも出ないままだ。


もうひとつ。

劇場を毎回借りるのではなく、所有する。
賃貸でも良いが、たまに借りるから、一回の公演費用がかかる。
直接自分たちがオーナーなり、借主になれば
費用は半分以下になる。

その代わり、毎日が公演でなければいけない。
それだけの観客を集めなければいけない。



・5000円分の技術を舞台で見せるか
・毎日舞台を満席に出来るファンをもつか




小劇場役者が進む道は、険しい。


村本さん死亡 威力大きい実弾



軍人が撃ったのだろう。
致し方ないような気もする。
私が軍人でも、たぶん撃ったろう。

似過ぎなのだ。カメラと銃は。
色、構え、視線
スチールカメラは狙撃銃
ビデオカメラは連発銃かロケットランチャー

構造的に致し方ない。
光を扱うカメラは黒くなくてはいけない。
どうしたって武器に見える。


戦争カメラマンは最前線にこそ、撮りたいものがある。

とは言え、哀しい事だ。合掌。