往診をしなくなった医者達

微熱が続いている。私は結構病気になると気が弱くなる。
遺書でも書いたほうがいいのかと思うくらい気が弱くなる(苦笑)
………書いてもいいが、分割する財産が無いのが悲しいかな。
 
薬箱を開けるが、やたらめったら薬が入っていて何が何やらさっぱり分からない。
看護婦というのは自分が診察する時の事しか考えない。
病で倒れた人間が薬箱を開けて薬を探すと言うのがどれほど苦痛か理解出来ないらしい。
幸せな家庭に育ってきたのだろう。私一人ではこのゴミだか薬だか分からない箱を
一つ一つあさる気力はない。
 
とりあえずドリンク剤を飲んで体に体力をつける。
明日の診察時間まで体がもてばあとはなんとかなるだろう。
 
ふとネットをあけて往診出来る病院を探してみる。
驚いた事に、往診できる病院が周辺に無い。動物病院ばかりだ。私は動物になりたい。
医者にとって往診とはどんな医療なんだろうか。
 
今の医者はみな診察室に座って患者を呼ぶ。
しかし考えてもみてほしい。医者は元気だ。患者は病人だ。
病人を歩かせて医者の前まで歩いて来いというのは、一体どんな理屈なのだ?
診察器具があるから、そこに来させたいのだろう。
しかし患者の意見から言わせればそんな不潔な場所に自分から歩いて行きたくない
医者は口外せぬが診察室がいかに不潔かは医者が一番良く知っているはずだ。
看護婦が患者の名前を呼ぶたびに思う。
(お前が来い)
往診に関する法律は良く分からない。
しかし、もっと優遇してでも往診を推奨したほうがいいのではないだろうか?