逆転の演劇

最近、めっきりお笑いやコメディーが嫌いになった。

つまらないってのもある。
でもそれだけじゃない。


コメディーやお笑いも、ようは演劇の一種
(軽演劇と呼ばれる事が多い)
だが、演劇というのは徐々に難解になってきた。
これはアートの世界でも同じで抽象的な物がさらに近代化すると
すっかり一般人には理解不能なものになる。
演劇も、そのルートを辿っている。

特に顕著に出ているのが
喜劇にみせかけた悲劇
悲劇にみせかけた喜劇

人の感情表現は駆け引きが普及してしまったせいかすっかり捻くれてしまった。
笑いに見せ掛けた嫉妬、妬み、こけおとしの文化は
過去にもあったが
今の笑いは、そこが本流になってしまっている。
従ってオチで本当に悲劇に落とす。
それを笑いと信じている制作者の多いことといったら・・・

逆に悲劇を作るものは最後に必ず救いを入れる。
むしろ悲劇の方がシナリオを理解している人が多いような気がする。


「みんなを笑いで満たしたい」
心地好い言葉だが、実際にやっている喜劇は
他人を傷つけるものばかりだ。
そんなニヒルな笑いが増え、ニヒルな人間が増え
世界はニヒルで可愛くない感情に包まれている。


喜劇制作者たちに言いたい。
おまえらがやりたかったのは、こういう事なのかと。