体調、さらに悪化
脂汗がたらたらと流れて
身動きがとれない。
嫌な夢をみた。
気丈な女が
『私なんかいらないの』
と言い放ち
そこらじゅうに可燃性の液体をまき着火
庇った俺が全身に大火傷を負う夢
今までにも何度もみた。
何度も見捨てようとして
見捨てられなかった。
火が背中を焼く感覚が
いまだに残っていて、痛みすら感じる。
しかも、助けた女はいつも、俺なんか見ちゃいないんだ。
ありがとうなんて抱き着かれるのは映画の話。
実際には泣きながらどっかに行ってしまうんだ。
あの夢をみた朝はいつもすこぶる体調が悪い。
ヒーローはいつも報われない。
自分の親父をみていて、いつもそう思うんだ。