群集心理なぜウエシマ作戦は成功しないのか

ヤシマ作戦(節電)とは面白い名前をつけたものだと思った。

ヤシマ作戦とは、エウ゛ェンゲリオンというアニメで使っていた用語で
全国を停電にして、その電力を使って敵を倒す作戦だが
そのネーミングのインパクトは強く、この計画停電下において
何を言いたいのかすぐに分かる。
完全な成功とは言い難いが、土日祝の計画停電は免れている。


それに対して、ウエシマ作戦(買い占め自重)
とても成功しているとは言い難い。


なぜ、これほど大きな違いが出たか?
これが群集心理。

ヤシマ作戦は自宅のインターネット、テレビなどで知った方が多いだろう。
私もインターネットだ。
自宅でその話を聞き、その単語が出るたびにヒーターの電源を落として
湯たんぽにお湯を入れる毎日だ。

ウエシマ作戦もインターネットやテレビで見聞きしたはずだが
なぜ守られないのか?
それは行列を見ると列んでしまう日本人の心理だ。
皆がやっているから真似をする。
ただそれだけの事なのだ。
必要かどうかなんて計算は頭には無い。
もし計算しているなら食パンを一人で5〜6個も買うわけがない。
理解出来ているならトイレットペーパーを何セットも買う必要は無い。
どんだけウンコするんだお前は。


たとえインターネットやテレビで啓蒙しても
直接、最も近い記憶が最優先されてしまう。
その最も近い記憶こそ、群集心理による『買い占めろ』という強迫観念である。

人が集団化すると、その意思を統一化しようとする。
祭などの昂揚感もそれだ。
群集で作業をする場合、実に合理的な心理状態であるが
リーダーが間違うと全員が死滅する恐れのある危険な心理でもある。
マスコミの言葉に踊らされる人は、間違いなくこの心理状態にかかりやすい。
かと言ってネットの流行りに乗せられる人も同様だ。


だが、逆に群集心理に逆らうのは
凄まじいエネルギーが必要になる。
ひとつ、ひとつの真偽を自らの知恵で審査し予測し
実験し結果を分析するという作業は
非常に骨が折れる事でもある。



ならば、他人が行動するのを観察して、その結果を分析し
真似るかやめるか検討するのが
最もエネルギー効率として良いだろうと思う。